── 雪降る湯治場にて、ふと想う。
湯けむりの向こう、
静かに降る雪を見つめながら、
ある理容師は、ゆっくりと呟(ささや)く。
「結局、、切れたら、、それでいい。」
確かに、
その通りかもしれない。
視線を山に移すと
遠くの木で、鳥が仲間と騒いでいるようだ。
この寒さでも
動物たちはこの自然を受け入れているのだろう。
切れ味こそが命、
それが我々の世界なのだ。
しかし、もしも。
もしも、刃だけでなく、手にしっくりと馴染むハンドル があったなら?
持つだけで自然と指が吸い付くような感覚があったなら?
そうすれば、カットの精度が変わる。
意図した通りに刃が走り、無駄な力を込めることなく、美しいラインを生み出すことができる。
さらに、このハサミは、毛が逃げにくいよう設計されている。
ひと束、ひと束、確実に刃がとらえ、仕上がりを整えていく。
ただ切るだけなら、どんな道具でもいい。
しかし、より美しく、より繊細に、より思い通りに。
雪景色の静寂の中で、湯に身を沈めながら考える。
「保守も良い。だが、新たな可能性を拒む理由もないのではないか。」
そして、また一つ、新しい道具が手に馴染んでいく。
【名称】KAN-575
【大きさ】5.75インチ
【鋼材】A.Cobalt
【刃の形状】はまぐり刃
【刃線】柳刃
【ネジ】埋め込みネジ(出っ張りネジへの変更も可能)
【ハンドル】3Dオフセット
【重量】53.5g±2g